🧬 医療AI – 医用画像における診断支援の研究
医療班では、深層学習を活用した医用画像解析に取り組んでいます。眼底画像による緑内障検出、CT画像からの肝腫瘍領域抽出、マンモグラフィ・MRI・病理画像の分類精度向上、さらに視線データとAIの注視領域の比較など、多様な疾患に対する診断支援手法を開発中です。また、XAI(説明可能AI)を通じて、モデルの判断根拠の可視化・解釈性向上にも挑戦しています。
主な研究の内容

眼底分野
緑内障は視神経が障害されることで視野が狭くなる疾患で、早期発見が重要です。本研究では、眼底画像から視神経乳頭などの注視領域に着目したCNNモデルを構築し、AIの判断根拠を可視化・解析することで、従来の医師の診断では発見が難しかった新たな緑内障の診断基準を見出すことを目指しています。
深層学習を用いたCT画像からの肝悪性腫瘍領域抽出
医療現場では、高齢化の進行や医師の負担増加に伴い、診断支援技術の重要性が高まっています。特に肝臓がんは「沈黙の臓器」に発生するため早期発見が難しく、CT画像からの正確な抽出が求められています。本研究では、肝臓全体と腫瘍を含まない肝臓をそれぞれ抽出する2つの深層学習モデルを用い、両者の差分から腫瘍領域を特定する手法を開発しました。これにより、ノイズが多く複雑な医用画像からでも、がんを高精度に検出できることが期待されます。
深層学習を用いた医療画像の分類
私たちは、AIを用いた医用画像の分類研究に取り組んでいます。現在は、マンモグラフィ画像からの腫瘍分類、MRI画像を用いた脳腫瘍の検出と種類判定、そして病理画像におけるがん細胞の陽性・陰性判定の研究を行っています。画像種別に応じた高精度な分類モデルを構築し、早期発見や正確な診断を支援するシステムの開発を目指します。
人間の視線データとCNNの注視領域の比較
画像診断において、人間(医師など)の視線データと、CNNの注視マップや中間層の活性化領域を比較することで、両者の診断プロセスにおける違いを明らかにする研究です。
人間の視線は判断根拠に基づいた意図的な注視である一方、AIの注視領域は学習過程に依存し、不透明な構造を持つ。両者の比較分析を通じて、AIモデルの可視化と説明可能性の向上、さらには診断根拠のホワイトボックス化を目指します
📘科研費
基盤研究(C):「Adversarial Exampleを用いた新しい緑内障性眼底変化の特徴の発見」 (2023-2026)
🤝共同研究
佐賀大学附属病院との共同研究を実施中
デモ映像リンク
研究成果のデモ動画は、PRページにてご覧いただけます。